世田谷Nakamachi WEB MAGAZINE

Casual Community 高齢社会の先にある様々な問題。その解は、“新しいご近所さん”の登場にあった。 2016.01.18

高齢社会の先にある様々な問題。その解は、“新しいご近所さん”の登場にあった。

日本が高齢社会と叫ばれ続け、約20年が経過。高齢社会に突入したと言われているのが1994年頃で、2007年からは、「超高齢社会」と呼ばれるようになりました。そう、高齢化のスピードは加速し続けているのです。

高齢社会は様々な問題をはらんでいます。中でも大変痛ましい気持ちになってしまうのが、「孤独死」問題。内閣府の高齢社会白書によると、東京都23区内において誰にも看取られることなく自宅で死亡した65歳以上の人数は2,733人(平成25年時)。

都内だけで、この数ですから日本という社会全体で考えると相当な数になるでしょう。そんな現代において、孤独死という問題を解決すべく、企業やそれぞれの地域で様々な取り組みが始まっています。

届けるということは受け取るということ

人は、特別仲が良い場合を除き、時間を取り、直接会って話しをするという行動をとることはありません。さらに、高齢者の場合は、パートナーと死別したり、家族と離別したりと、日常的に人と接する機会は減少してしまいます。

結果、誰にも看取られることなく、気付かれることなく死を迎えてしまうのではないでしょうか。

そんな、外との関係をなくしてしまったお年寄りを孤独死から救うためにはどうすればいいのか?誰かが一歩、高齢者側に踏み込まなければなりません。

この一歩を踏み込んだのが、届けることを生業とする企業。荷物や商品を配達し、受け取ってもらうということは直接顔を合わせることであり、失われたコミュニケーションを得る大切な場へと形成されるのです。ここでは、企業が行っている活動を少し紹介します。

【自費の宅配からうまれた「愛の訪問活動」/ヤクルト】
この活動は1970年にヤクルト社員が配達を担当している区で、孤独死が発見されたことを機に、自費でヤクルトの製品を独り暮らしのお年寄りの方に配り始めたのがきっかけです。

1970年から粛々と続けられてきたこの活動は、今となっては3500人を超えるヤクルトレディーが約4万7000人ものお年寄りのお宅を訪問するまでになりました。

ヤクルトと地域の自治体が協力し、ヤクルトの宅配時に健康面の確認はもちろん、新聞が溜まっていないかの確認を行い、もし応答がなければ市に連絡をするといったサービスを行っています。

実際に、“ガス漏れを発見した”“具合が悪いところに遭遇した”というように、お年寄りを救った話が数多く寄せられています。

【社員が独学で福祉を勉強「まごころ宅急便」/ヤマト運輸】
こちらは、ヤマト運輸の女性社員が独学で福祉を勉強し、作り上げた制度。きっかけとなったのは、やはり身近で孤独死を目の当たりにしたこと。

このサービスはお年寄りに代行して買い物を行ったりするサービスで、ヤクルトと同じように直接会うことが軸となっています。

ヤマト運輸の「まごころ宅急便」は、地元商店や企業と提携しています。全国規模の小売店ではなく、その土地に根付いた商店から買い、発送を受けることで、地域の経済の活性化にも寄与しています。

企業は定期的に顔を合わせられないが、地域の人なら毎日顔を合わせることができる。

とはいえ、企業側で孤独死を防いだり、安否確認を行ったりするには限界があります。なぜなら、企業側の意思でお年寄り側に踏み込むことはできないからです。つまり、企業が行っているサービスはお年寄りが契約しない限りは、見守ることはできないというワケです。

では、誰が見守るのか?行政などの地域のコミュニティが答えとなるでしょう。近所付き合いがなくなってしまった現代社会だからこそ、地域の人がお年寄りのところに足を運び、積極的なコミュニケーションや安否確認などを行なうことが最も適切なカタチになります。

ここでは、地域コミュニティは具体的にどのような取り組みを行っているのか。
いくつか事例を紹介します。

【常盤平団地における孤独死ゼロ作戦/千葉県松戸市】
千葉県松戸市にある常盤平団地。この団地が孤独死対策に乗り出すきっかけとなったのが、2001年に白骨化した男性の遺体が見つかったことでした。この出来事の後、団地自治会や団地社会福祉協議会が話し合い、孤独死の課題を話し合い、この活動が誕生したそう。

この活動は3つの柱で成り立っています
1.“安心登録カードの活用”
2.“民生委員と協力の見守り活動”
3.“いきいきサロンの運営”

安心登録カードは65歳以上の独り暮らしの人に配られ、不測の事態に身内に連絡することで、何かあった時のお年寄りの不安を軽減することに役立つもの。

見守り活動では、家庭訪問がメイン。会って話さなければわからないこともあるので、民生委員と協力して見守り活動を行ないながら、お年寄りの健康状態などを把握します。

この3つの中で最もユニークなのが、いきいきサロン。入室料100円を払えばコーヒーをお代わり自由で楽しむことができたり、300円で12畳の和室を利用することができたりと、団地に住むお年寄り達の憩いの場となりコミュニティを提供しているのです。

この取り組みは世界中で評価され、ロイター通信や海外の複数のTV局にも紹介されています。日本以外の先進国でも高齢社会は問題になりつつある為、多くの国で反響を呼んだのかもしれません。

近所付き合いの定義が変化。“お隣さん”から、企業や地域のコミュニティへ

孤独死などの問題がTVで流れると、多くの人は「ご近所付き合いが少なくなったからね」と口を揃えて言います。かつてのように、ご近所付き合いが頻繁であれば「最近、〇〇さんと会わないから、少し様子を見に行ってみよう」と行動を起こすきっかけになるでしょう。

しかし、ご近所付き合いが希薄になっているという時代の変化に抗うことは出来ません。そんな中、企業や地域が親戚などに代わって独り身のお年寄りと関わる“ご近所さん”への変化が起こっているのです。

この記事の読者の中にも、遠くに独り身の親がいる、という方も多いのではないでしょうか。距離の壁は簡単に埋めることが出来ません。では、何が出来るのか?企業や地域の力を利用して、孤独死の課題に取り組むということ、それがすぐに出来る、孤独死を防ぐ一歩ではないでしょうか。

ちょっとその前に。遠くに住む大切な家族の声、久しぶりに聞いてみませんか。電話越しでも、きっと安心感は得られるはずです。

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