世田谷Nakamachi WEB MAGAZINE

Next Generation 世代を超えて時代を超えて。進化する銭湯の「今」で新体験。 2016.03.25

世代を超えて時代を超えて。進化する銭湯の「今」で新体験。

今、ドラマや映画のヒットにより、再び銭湯に注目が集まってきています。
“銭湯”とは言うまでもなく、日本人なら誰もが知る伝統的な入浴文化の一つです。

しかし、都内の銭湯の数は昭和40年の2641ヶ所からみると減少の一途をたどっており、現在では706ヶ所と、その数はおよそ1/3に減ってきています。
銭湯側もこの流れに黙ってはおらず、「古き良き」を守りつつ、時代の流れにのっていこうと日々試行錯誤している最中です。
最近はヨガなどのワークショップイベントをはじめ、高座を置いて入り口で落語を行うなどといったコラボレーションも生まれており、「人が集まりやすく、気軽に楽しめる」場所としての復権を目指し、様々な試みが行われております。

今回は世代を超えて進化する、「銭湯」。改めてその真価を見ていきましょう。

古来、入浴とは貴重な時間だった?銭湯の歴史とは

そもそも、銭湯とは仏教の“沐浴”からその文化が始まったといわれています。

仏教では、沐浴は汚れを洗い仏に仕えるための大切な仕事とされていたため、世のために行うべきもの(功徳・くどく)ととらえられていました。
奈良時代にはすでに東大寺内に大湯屋や浴室が作られており、古くから浸透していた文化であることが分かります。

当時、浴室とは非常に貴重な施設でした。一家に一つ浴室が存在しているはずもなく、ゆえに寺院での入浴は宗教的な意味だけではなく、庶民にとって刺激的で、かつ大勢の人が集まる楽しいひと時でもありました。そこから派生し、時代が流れるごとに入浴の仕方や形式は姿を変え、江戸時代には二階建ての湯屋(今でいうところの銭湯)も登場。一階は浴場、二階はお茶を飲んだりしてくつろぐスペースとして、多くの商人や庶民が訪れ、当時の人々にとっては社交の場としても大賑わいだったようです。

そして、今のように洗い場が広くなったり、湯気がしっかり抜ける換気装置があったり、全面タイル張りになって衛生面も整備されたのは大正時代から。日本人の「風呂好き」の文化は、古来より筋金入りというわけです。

しかし、昔と違い現代は一家に一つ浴室があるのが当たり前の時代。また、銭湯施設の老朽化や跡取り問題のため、やむなく閉鎖に追い込まれている銭湯も少なくありません。

今、コミュニティ化する銭湯

「一家に一風呂」時代の現在において、“わざわざ銭湯に行く”必然性はやはり希薄です。
そのため、いま銭湯は、ただの入浴施設から、現代風のコミュニティスペースへと脱皮しようとしています。

例えば、入浴以外のアクティビティ、ヨガの団体とコラボする銭湯も。ひとっ風呂、のついでにヨガで自分の心身と向き合い、銭湯と健康をより身近に感じてもらおうという工夫です。ヨガでうっすらと汗をかいた後に、大きな風呂釜で足を伸ばしてリラックスができると好評のよう。

他にも銭湯と言えば、あの浴室の壁一面に広がった見事な富士山の絵。銭湯の老朽化により、はがれた部分の修復費用をクラウドファンディングで募るという新しい試みをしているところも。しかも、投資家の投資金額の大きさに応じて、実際の背景画の修復に参加するイベントがセットになっており、非常に貴重な文化的な体験もできます。

さらなる文化とコミュニケーションの普及のために、落語を組み合わせている銭湯もあります。落語とは敷居が高いと敬遠されがちですが、「銭湯に行くとついでに面白い話が聞ける」、「落語の会場に行くよりも安い」など、社交の場としての在り方を大きく広げつつあります。

銭湯の社会的意味

銭湯は地域活性のための一部として、様々な法令で守られています。
価格競争が起こらないように入湯料の均一化が敷かれていますし、水道料金や土地代も特別に国から優遇・補助がされています。つまり、行政が地域の福利厚生の一部として、地元住民が利用しやすいように大切にされる、町のキースポットなのです。

銭湯は、かつてお風呂のない人のための公衆衛生の改善と、地域の情報収集のための場所としての側面を持っていました。結果、誰が周りに住んでいるかも認識できて、困ったときは助け合うという「町の性格」を文字通り肌で感じることができる場所でした。銭湯内では親以外の大人が子どもを気にかけてくれたりと、面倒をみていた、という光景を憶えている方もいるでしょう。

今、ご近所さん同士の顔も知らないまま、住民それぞれの生活が交わることなく、並行に進行していることは周知でしょう。祭事も気が付いたら終わっていた、地域の犯罪も増えたなど、良い伝統・文化の継承不全による悪循環とも解釈できます。

世代を超えた文化的交流スポット、「銭湯」。銭湯の活性化には、公衆衛生以上の意味がこれから生まれていくのではないでしょうか。

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